介護業界についても知ろう

さまざまな業界には、その業界特有のローカルルールがありますが、介護業界にも存在しています。介護業界特有のローカルルールとして多い事例が、介護職員が行う事務作業です。介護を専門としていても事務業務を併せて行うケースは、介護業界ならではのローカルルールに基づいている場合も少なくありません。他の似たような業界では、医療業務を行う職員と事務業務を行う職員が分担されていることもあり、これはまさに介護業界特有の典型的なローカルルールの具体例といえるでしょう。

なぜ介護業界にだけこのようなローカルルールがあるのかといえば、それは介護費用の支払われ方と大きく関係しています。介護を行った場合、介護の利用者から受けられる報酬は、全体のだいだい10パーセント程度です。多くても20パーセントほどなので、残りの報酬は介護費用を負担している国や地方自治体などの公共団体に請求することになります。その際にしなければいけないのが、報酬の請求に必要になる各種の書類を、国や地方自治体に請求することです。請求内容に対応する細かい明細書を、申請する介護事務所などが作成する必要があります。介護業界のローカルルールとして広く行われているのが、この請求に必要な明細書を、介護を行っている職員自身が作成することなのです。

こうした介護業界特有の具体的なローカルルールに対応するために、政府でも各自治体間の手続きの共通化などを目指しています。