教育業界のローカルルールは?

教育業界では、出勤簿についてかなり広く受け入れられているローカルルールがありますが、それは公立と私立で異なっているのが特徴です。

公立の学校では、ほとんどが印鑑を押すだけの出勤簿になっています。教育の責務を果たすには必ず朝は定時までに来ていて、夕方も定時まで働くのが当然だと昔から考えられており、遅刻や早退はないものと捉えられているからです。一方、勤務時間が長くなっても、定時通りに働いていたと見なされてしまう問題もあります。現場によっては裁量労働制になっている場合もありますが、それでも正しい勤務時間が記録されていないのは、労務上好ましくないでしょう。このように、実際にはサービス残業なのに勤務時間は長いことが多いため、出勤簿のつけ方に関してだんだんと問題視する人が業界内でも増えてきているのが現状です。

一方、私立の学校の場合は、このような問題への対策を講じている場合が多く、基本的には一般企業と同じように勤怠管理が行われています。実態としては、業務量が多くてこなしきれず、残業が多いというのが通例です。ただし、強制されて残業をするというよりは、むしろきちんと生徒を教育するために進んで残業するというケースが多くなっています。校長や教頭などが教員に対して残業を強制せず、自主性に任せるのがローカルルールになっているのです。このように、私立では理由をつけて残業することによって、稼いでいる人もいます。